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「響け!ユーフォニアム」の著者・武田綾乃の小説「石黒くんに春は来ない」感想

www.eastpress.co.jp


「みんな、正論で人を殴るのが楽しくて仕方ないんだよ。」
どんでん返しの連続に、あなたはついて来られるか!?


響け!ユーフォニアム」シリーズの著者・武田綾乃さんの描くLINEをテーマにした学園モノで、高校のスキー合宿で、冴えない男子生徒・石黒和也は、クラスの中心的な女子生徒・久住京香に告白するが、その告白をLINEの学年グループで笑いものにされ、その日の夜に、立入禁止の雪山に入り意識不明の状態で発見されるが・・・。


石黒くんの事故を軸に、高校のスクールカーストが生々しく描かれ、LINEどころか携帯電話すらなかった時代に高校生をやってた自分の高校時代の人間関係もこんな感じだったので、世の中変わらんなと思ったのと、クラスの中心の生徒達とその他の生徒や、先生の生徒たちの接し方とかが、本当に自分の高校時代とも重なり、よくスクールカーストが描写されてるなと思った。

一見するとユーフォシリーズとは全然違う感じの作品と感じるが、リアルな人間関係の生々しさは一貫していると思った。

タイトルが「春は来ない」なので、結末はお察しだし、ある程度のところで大体、犯人とかもわかってくると思うんだけど、LINEが上手くギミックに使われていてストーリー展開も面白かった。

また、著者の武田綾乃さんが、ユーフォの小説のインタビューで、「現実でも、わからないままのことはあるから、全部分かる必要はない」みたいなことを言っていて、今回も説明が不足したまま終わっていく部分があるが、そこが彼女の作品の持ち味だと思うし、不気味な感じの余韻が、いろいろ想像させられてよかったと思ってる。

個人的にはかなり楽しめた1冊だったと思うし、ユーフォシリーズとはまた一味違う青春ミステリーを味わえると思います。


石黒くんに春は来ない

石黒くんに春は来ない