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小説版「機動警察パトレイバー」感想

読書感想

去年から今年にかけての、実写版パトレイバーの企画で、再びパトレイバーが話題になり、僕も、懐かしくなって、Kindleでコミックや、この小説全5巻セットなどを購入した。

僕が、パトレイバーにハマったのは、中学生の頃だった、その頃は、アニメやコミックは読んでいたが、小説版は、なんとなく嫌煙していた。

36歳になった今、初めて読んだ小説版パトレイバーは、中学の頃に夢中になった、アニメ版やコミック版と同じパトレイバーの世界があった。

1990年代前半に書かれた作品ということで、世界観や技術関連が当時のものとなっていて、時代を感じて懐かしい気持ちになりながら読んだ。

第1巻は、伊藤和典が執筆しているが、第2巻~第5巻は、今をときめくアニメ脚本家、横手美智子が執筆してる。彼女は、機動警察パトレイバーのテレビアニメ第12話「太田惑いの午後」で脚本家デビューし、そこからしばらくは、この小説を含め、パトレイバー関連の仕事を経て、アニメ業界での仕事に繋げていったようだ。

中学の頃、パトレイバーにハマった後、次にハマった「逮捕しちゃうぞ」の全四話のOVAシリーズ(94~95年の作品)の内、2話以降を横手美智子が担当していて、バンダイビジュアル関連で仕事が回ってきたんだろうけど、自分の好きな作品に、知らないうちに数多く関わっていたようだ。

最近だと「SHIROBAKO」や「監獄学園」のシリーズ構成を担当し、水島努監督との名コンビぶりを発揮してますね。

小説の話に戻って、第1巻~第3巻までは、それぞれ2話ずつ話が収録されていて、伊藤和典著作の第1巻は、FILE1「アクセス」は、ちょっとした事件を通しての特車二課の日常を描いたような感じの作品。小説版読者に向けての特車二課とはこんな感じのところだよという紹介的な話みたいに感じた。

そして、FILE2「風速40メートル」は、劇場版第1作目そのままの内容。劇場版はここから更に映像や音楽の演出が加わり壮大なものに仕上がっている。

で、第2巻以降は、著者が、伊藤和典の一番弟子という横手美智子にバトンダッチされる。FILE3「シンタックス・エラー」は、後藤の恋愛相手を尾行して野明と後藤の姪の真帆子と共に、キャバクラに潜入する話で、結構面白かった。FILE4「父の息子」は、遊馬の父と亡くなった兄の話で、僕は男兄弟の兄だけど、兄弟で比べられる気持ちみたいのは凄く分かるので、凄く共感できる話だった。

FILE4「香港小夜曲」は、熊耳が香港警察に研修へ行く話。熊耳とリチャード・王の出会いが描かれる。映画に出来そうな濃厚なストーリーで、非常に面白かった。FILE5「サード・ミッション」は、山崎ひろみをメインにしたギャグ回。人のいい山崎ひろみを堪能できる話で面白かった。

そして、第4巻は「ブラックジャック前編」、第5巻「ブラックジャック後編」ということで、それまで1巻に2話ずつ話が収録されていたのが、2巻にわたって1つの話が描かれるという長編となっていて、後藤隊長の過去が描かれる。警視庁公安部に所属し、カミソリ後藤とよばれた、切れ者の後藤が、いかにして、埋立地の辺境に追いやられたのかが、レイバー事件と並行しながら明らかになりつつ、事件を通して後藤の過去を知ろうとする野明の心の葛藤と成長が同時に描かれる。

一見頼りなく見えて誰よりも部下のことを考えている後藤隊長。様々なことがあって今の後藤隊長になっているだなと思った。

絵のない、活字の世界が返ってリアルさを出していたと思うのと、改めてパトレイバーの魅力は、人間ドラマだなと思った。

女性作家ということで、野明の心理描写にはリアルさがあったように思う。ゆうきまさみのコミック版、押井守OVA版や劇場版、吉永尚之のテレビアニメ版など、様々なバージョンがあるパトレイバーだが、横手美智子パトレイバーも、他と同じくらいに面白いものになっていると思う。

今だったらCGでレイバーを動かせるし、改めてパトレイバーをテレビアニメで見たいなと思ってるんだけど、この小説をこのまま、横手美智子の脚本で、テレビアニメでやってくれないかなぁ。なんてことを思いつつ、とりあえず、テレビアニメ版を横手美智子脚本回を意識しつつ見なおして見ようかと思ってます。